診療時間 | 午前9:00~12:00/午後16:00~19:00 |
休診日:水曜日 |
歯科治療
当院では、小動物歯科ユニット、歯科用レントゲンなどの各種の歯科専用機材を備え、専門性の高い歯内治療(抜髄根管治療、生活歯髄断髄法)を行っております。
歯科治療の初診の方は、必ず予約をお願い致します。
犬の場合、硬いおもちゃを咬むことによって歯が折れてしまうことが日常的によく起こります。
年齢、折れてからの時間経過、どのように折れているかによって治療が変わってきます。
治療によって残せる歯は、抜歯ではなく抜かないで残す。当院の目標です。
歯が折れてしまった場合は、あまり様子を見ないでできるだけ早めにご相談してください。
左第4前臼歯平板破折
ファイルによる抜髄
根幹充填
歯冠修復
髄腔穿孔
根幹口明示 作業長決定
左上犬歯破折 露髄
治療前
治療後
乳歯から永久歯への生え変わりが不完全で、乳歯が残っている状態です。
小型犬では日常的によく遭遇しますが、大型犬や猫ではまれです。
特に乳犬歯と乳切歯が遺残する傾向が高いです。
乳歯が遺残したままであると乳歯と永久歯の隙間が狭く密に存在することになるため食物残渣や歯垢・歯石が沈着することによって歯肉炎や歯周炎を発症するリスクを高めます。
上顎の乳犬歯が遺残していると下顎犬歯の萌出が抑制されたり、下顎犬歯によって上顎切歯が唇側に傾斜することもあります。下顎では、永久犬歯が舌側に萌出することが多く、上顎の口蓋にあたり疼痛を示すこともあります。
切歯の乳歯遺残では、前後方向に二枚刃のように遺残することが多いです。
歯瘻とは、歯の疾患に由来する化膿性病巣と口腔粘膜あるいは皮膚の間に形成される交通路のことをいいます。主に、内歯瘻と外歯瘻に分類されます。
内歯瘻は、歯の疾患に由来する化膿性炎症が骨膜下膿瘍および粘膜下膿瘍を形成して口腔粘膜に瘻孔を形成した状態のことです。
外歯瘻は、歯の疾患に由来する化膿性炎症が皮下組織に波及して、皮下膿瘍を形成し皮膚に瘻孔を形成したじょうたいことです。外歯瘻は、犬や猫やウサギにも比較的多く認められます。
内歯瘻
外歯瘻
口鼻瘻管は、口腔と鼻腔が貫通することをいいます。その主な原因は、歯周病からの根尖周囲膿瘍や外傷ですが、まれに腫瘍に起因することもあります。一般的に、猫よりも犬での発症が多い傾向にあり、ダックス、ヨークシャーテリア、トイプードルなどの小型犬に多く認められます。原因となるのは、上顎犬歯であり特に歯周病に関連して口蓋側に形成される歯周ポケットに起因することが多いです。
口鼻瘻管を閉鎖するために用いる手技で、一般にシングルフラップとダブルフラップがあります。多くの症例は、シングルフラップで瘻管を閉鎖できます。瘻管の辺縁から粘膜に切開を加え、減張切開を行ってから瘻管を覆うフラップを作成します。吸収性縫合糸で単純結節縫合を行うため、抜糸の必要はありません。
歯の破折は、硬い物を咬む癖のある犬で最もよく認められ歯冠、歯冠と歯根の両方、あるいは歯根に影響を与える疾患です。もっとも破折しやすい歯は、犬歯と第4前臼歯です。特に第4前臼歯が破折していても飼い主が全く気が付かずに、外歯瘻になって初めて来院するケースも少なくありません。
歯髄に影響のない折れ方(露髄のない)、根幹充填は行わずにコンポジットレジンなどの修復剤での治療をします。歯が折れた場合には、折れてからの時間、その折れ方によって治療が変わります。
歯が折れていることに気がついた場合は、なるべく早めにご相談してください。
奇形歯とは、変形歯とも呼ばれる歯の形態異常のひとつです。犬の場合、下顎の第一後臼歯に多く認められます。
原因は、遺伝的なものであるとも言われますがはっきりとはわかっていません。本来の歯根よりも長さが短かかったり距離が近く、歯髄炎や根尖周囲炎を起こしやすくなります。
レントゲンを撮影しないと、歯冠だけではわかりにくいケースもあります。治療は、基本的には抜歯です。
含歯性嚢胞とは、埋伏歯の歯冠を含んで形成される嚢胞で、歯の元である歯胚というものを包んでいる袋状の上皮から生じます。一般的には嚢胞腔内には、単数あるいは複数の未萌出歯を含んでいます。発生はまれであるが、若齢犬に発生する傾向があります。埋伏した歯と嚢胞上皮を完全に除去することで治癒に向かうとされています。
口腔の中に腫瘤性病変が認められる、口臭、流涎、嚥下障害などで発見されることが多いです。口腔内腫瘍は、犬全体の腫瘍の中で4番目に多く、そのうち犬の悪性黒色腫は、他の悪性腫瘍である繊維肉腫と扁平上皮癌に比べて発生頻度が高く、その割合は40~50%です。
猫の口腔内腫瘍においては、扁平上皮癌が最も多く、その割合は60~75%です。
猫の歯肉口内炎は、難治性口内炎、リンパ球性プラズマ細胞性歯肉口内炎、プラズマ細胞性口内炎、慢性歯肉口内炎などとも呼ばれる歯肉および口腔粘膜の慢性炎症性疾患です。
症状は、程度によって大きく異なるが、ほとんどの場合が口腔粘膜に発赤、潰瘍、肉芽用組織の増生などが認められ、流涎、採食困難、開口時の突然の奇声、口を気にするなどの症状が認められます。原因は、口腔内の細菌やウィルスの関与、免疫反応の異常などが挙げられています。歯肉口内炎を起こしている猫でFCV(カリシウィルス)への感染率が高いことが報告されているが、原因究明には至っていません。
猫には、歯肉炎のほかに歯破細胞性吸収病巣が認められる場合があります。炎症などが口腔内や歯周組織に生じた結果、歯質が吸収される病態は、破歯細胞性外部吸収、歯頚部病巣、ネックリージョンなどと呼ばれており、猫の歯周疾患のうち歯周病に次いで多く認められます。
ある研究によると、全臼歯抜歯を行った猫での術後の臨床症状改善の有効率は64.3%でした。また別の研究では、全臼歯抜糸を行った猫の術後1~2年の評価で60%が完治し、著名な改善からわずかな改善までを含めると有効率は93%で、全く反応しないものが7%でした。
切歯は、舌側へカールするように伸長したり、可動性が高いために捻転し、八の字に広がって口腔外に伸びることもある。臼歯は、上顎は頬側(外側)、下顎は舌側(内側)に過長するけいこうにある。十分に咬耗されない場合は棘状縁(spike)が形成される。歯軸が強く湾曲して変異していると研磨を行っても数週間単位で再発することも珍しくない。
適切に咬耗されなくなった歯は、歯根の方向へも過長する。それによって根尖周囲膿瘍などさまざまな障害が併発する。
口腔の神経ブロックは、抜歯などの歯科処置で実施することが多く全身麻酔の量を減らすことに抜群の効果を発揮します。眼窩下孔は、上顎骨外の凹みとして触知することができ、第3-4前臼歯より吻側の歯肉、歯槽骨、歯髄の領域をブロックすることができます。
当院では、マイクロスコープを用いたスケーリング(歯石取り)とポリッシング(研磨)を行なっております。肉眼では確認できない歯石の除去をすることができます。詳細は、ご予約の際にスタッフまでお問合せください。